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ベトナム基礎知識 ~政治、経済、社会~

今回は現代におけるベトナムの「経済」と「社会」について解説したいと思います。多くの方は、「社会主義国なのに市場経済が発展している」ことに不思議さを感じている方々がいるかもしれません。また「大国の脅威に曝され続けてきた社会」とはどうしたものかと言う疑問も持たれる方もいると思います。今回は、それらの疑問にお答えするとともに、今現在のベトナムを理解する上で重要キーワードもお示ししたいと思います。
 

ベトナムの統治体制】

ベトナムは現在「社会主義共和国制」を布いており、ベトナム共産党によって「一党独裁制」になっています。一党独裁と聞くと中国共産党を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、ベトナムの場合一党独裁ではあるものの、中国共産党の体制のように最高指導者に権力が集中することが防止されています。つまり、緩やかな集団指導体制を採っています。つまり、ベトナム政治は「四柱」と呼ばれる4名の長により治められており、
ベトナム共産党の最高職である党中央委員会書記長
国家元首である国家主席
③ 政府の長である首相
立法府である国会議長
以上4名がこれに当ります。
 

ベトナムの行政】

政府管轄下の行政府におけるいわゆる「役人(公務員)」は官僚的思考に基づき行動するものとされています。言い換えれば「融通が利かず、教条主義に終始する傾向がある」ことになります。政治が共産党一党支配の下、市場経済の甘い蜜を得ようとしているところは、中国と酷似していると思われます。現にベトナムは、世界のワーストランキングにランクインするほど、ワイロ文化がはびこっており、経済の成長性を阻害しているとも言われています。民主化されていない体制であることからなかなか抜本的な改革も進められていません。しかし、一方でベトナム人が持つ効率的・合理的なマインドからこうした官僚主義的な傾向を透明化させ、簡素化する改革も近年盛んに行われています。
 

ベトナムの経済】

ベトナムの経済に関しては、その「経済成長率」に世界の耳目が集まっています。驚異的な速さで成長し、ここ数年維持し続けています。具体的にはベトナム計画投資省の発表では、2016年から年度順に見た場合GDP(国民総生産)は、6.2%、6.7%、6.7%と高い成長率を示しています。(2017年、2018年は実質見込値として公表)この、GDP成長率は、日本で言うと1960年代後半、つまり昭和40年代の高度成長期に示した数値に匹敵します。いわゆる国中が潜在的にも、顕在的にも沸き立っている状態と言って良いでしょう。
 

ベトナムの社会】

ベトナムと言うと一般的に日本人では服装の「アオザイ」、食べ物で「フォー」を思い浮かべる方が多いと思います。決してそれらが間違っていませんが、外国人が日本をイメージして「日本では、着物姿で朝食がお茶漬け」という感覚に似ていると思います。つまり、少し昔風の風俗習慣だということです。街にはカフェ等も多く、現代かが進んでいる場所も多く見られます。
治安の良さは、社会主義ということもあり、東南アジアの中で1、2を争うほど。外国人を狙ったスリ・ひったくりはありますが、命の危険を感じるほどのものはありません。ビジネスに、旅行に、適した環境と言えます。

 

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